• 蓄電池の種類

新エネルギー事業 蓄電池 蓄電池の種類と充電方法
蓄電池には、太陽光での発電が出来ない夜間や、災害時などで発生する停電時などで、電力会社からの電気を使用せずに電気が使えるという機能がありますが、ハイブリッド型と呼ばれる、パワーコンディショナーとの一体型があります。

蓄電池の種類

単体型蓄電池とは

蓄電池を単体で利用する場合、太陽光無しでも利用が可能です。

電気代の安い夜間電力を蓄電し、家を留守にしている昼間に利用するという利用方法です。

比較的昼間の電気使用量が多い方は、電気代を節約するという目的で導入される方も増えて来ています。

ただし導入費用もかかりますので、今後の電気代の値上がりなどを見込んだ上で実際にメリットがあるのかは、そろばんをはじいてみてください。

また、蓄電池導入には、補助金制度がありますので、導入の際には積極的に検討をされることを強くおススメいたします。

単体型とハイブリッド型の違い

太陽光発電に欠かせないのが、電圧を一定に保ってくれるパワーコンディショナーですが、蓄電池とパワーコンディショナーを別に購入するよりも、設置場所を取らないというメリットがあります。パワーコンディショナー単体は、一般家庭用でおよそ小型のエアコンほどのサイズですが、蓄電池は、一般家庭用でエアコンの室外機程度のサイズになります。

最初にパワーコンディショナーを購入し、後から蓄電池を購入する、または太陽光パネルの設置をせずに蓄電池という場合は単体での購入でも良いのですが、太陽光パネルを設置する際に、蓄電池も購入することを考えると、ハイブリッド型を検討されるという選択肢があります。

パワーコンディショナーと蓄電池単体をそれぞれ購入するよりも、設置費用も安く抑えられるだけでなく、電気の変換ロスが少なくて済むというメリットがあります。

トライブリッド型とは

蓄電池には、さらにトライブリッド型と言うものがあります。

これは、ハイブリッドにさらにEV(電気自動車)の充電にも使用が可能になる機能が追加されたものです。つまり太陽光パネルで発電した電気を家庭用だけでなく、EV車への充電しても使用できるものです。

電気代が高騰している現在、太陽光での充電をすることで、年間最大で12,000Km近くの走行を実質0円(およそ4万円近く)、10年に換算すると40万円程度を浮かすことが出来ます。

これはメリットとしては高いものだと思います。

さらに費用面だけでなく環境のことを考えると太陽光で発電したエネルギーで走行するソーラーカーが実現できるということです。

種類別5つの充電方法

蓄電池には、現在大きく分けで5つの充電方式が存在します。

「LiB」「NiMH」「鉛蓄電池」「NAS電池」「レドックスフロー電池」それぞれに特徴があります。
家庭用に用いられる太陽光発電の蓄電池としては、「LiB」方式のものが一般的に利用されています

LiB方式

LiB方式は、一般的にリチウム・イオン蓄電池と呼ばれるものです。単体で高電圧を実現している点がメリットです。

また、使用されている素材にも種類があり、コバルト系、マンガン系は、電圧が高いという特徴があります。一方、リン酸系は電圧は低いものの、充放電の寿命が3~4倍になり、メモリ効果がすくないこともメリットになります。ただしリチウム化合物は扱いが難しく、過充電が重大な事故を引き起こすことがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

NiMH方式

NiMH方式は、一般的にニッケル水素蓄電池と呼ばれるものです。ニッカド電池と呼ばれている方式とほぼ同じですが、有害物質である

現在市販されている単三、単四形などの乾電池型充電池は、ほぼこれになっています。こちらも歴史がながく、安定して利用できるという点でLiB方式と同様です。デメリットとしてメモリ効果が挙げられますので、充放電を繰り返す場合には注意が必要で、継ぎ足し充電を繰り返すと電圧低下が起こり、機器を動作させるのに必要な電圧を維持できなくなる可能性が高くなります。

鉛蓄電池方式

負極に鉛Pbを、正極には二酸化鉛PbO2を使用し、電解液として希硫酸を使用しています。このため鉛蓄電池を呼ばれています。自動車やオートバイの始動用12Vバッテリーとして汎用モジュール化されているため、身近に存在する蓄電池と言えます。比較的高電圧を得られる蓄電池です。放電サイクル回数が多い用途はあまり得意ではありませんが、メモリ効果もなく、温度変化に強いこともメリットとしてあげられます。

NAS電池方式

NAS電池はリチウム・イオン蓄電池とほぼ同等のエネルギー密度を持ち、自己放電も行いません。また急速充放電できるのもメリットです。デメリットは負極に非常に高い反応性を持つNaを使用しているため、発火の可能性があります。少しでも孔やすき間ができたりすると、空気中の水蒸気と反応して熱を発します。そのため実用化するために、様々な安全性能確認試験と対策が求められます。

レドックスフロー電池

レドックスフロー電池は、最近最も注目度の高い電池です。充放電サイクル寿命が1万回以上と長く、10年以上利用できるという点がメリットです。バナジウム溶液を主体とする電解液は不燃性で、電池の運転も常温で行われます。そのため発火や爆発などの危険性もなく、耐熱等の必要が無いため、20年を超えての運用も可能だとされています。また、蓄電量は電解液の量で規定される上、出力も電池セルスタックの大きさで規定されるため、これらを個別に設計することが可能です。これも設計開発する上でのメリットとなります。ただし、小型が難しく、今のところ使用は大型施設に限定されます。